民法第398条の22
  1. 元本の確定後において現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときは、他人の債務を担保するためその根抵当権を設定した者又は抵当不動産について所有権、地上権、永小作権若しくは第三者に対抗することができる賃借権を取得した第三者は、その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権の消滅請求をすることができる。この場合において、その払渡し又は供託は、弁済の効力を有する。
  2. 第398条の16の登記がされている根抵当権は、一個の不動産について前項の消滅請求があったときは、消滅する。
  3. 第380条及び第381条の規定は、第1項の消滅請求について準用する。

条文の趣旨と解説

元本の確定後、現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えているときは、物上保証人、目的不動産の第三取得者及び用益権者は、その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権の消滅請求をすることができます(本条1項前段)。この払渡し又は供託は、弁済としての効力を有し(本条2項)、物上保証人等は債務者に対して求償権を取得します。

398条の16(共同根抵当)の登記がされている根抵当権は、1つの不動産について消滅請求があったときは、共同根抵当の関係にあるすべての根抵当権が消滅します(本条2項)。

主たる債務者、被担保債権の保証人及びこれらの者の承継人は、債務の全部を弁済すべき義務を負っているため、根抵当権の消滅請求をすることはできません(本条3項において準用する380条)、また、抵当不動産の停止条件付第三取得者は、その停止条件の成否が未定である間は、根抵当権の消滅請求をすることができません(本条4項において準用する381条)。

条文の位置付け