民法第161条
時効の期間の満了に当たり、天災その他避けることのできない事変のため第147条第1項各号又は第148条第1項各号に掲げる事由に係る手続を行うことができないときは、その障害が消滅した時から3箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
平成29年改正前民法第161条
時効の期間の満了の時に当たり、天災その他避けることのできない事変のため時効を中断することができないときは、その障害が消滅した時から2週間を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

条文の趣旨と解説

時効期間の満了の間際に、天災等により時効更新の措置を執ることができない場合には、その障害が消滅した日から3箇月が経過するまでの間は、時効の完成は猶予されます。

なお、完成猶予の期間について、平成29年改正前民法は「障害が消滅した時から2週間」と定めていましたが、2週間という時効の停止期間は短すぎるという指摘があったことから、改正民法では「障害が消滅した時から3箇月」と改められました(『民法(債権関係)の改正に関する中間試案の補足説明』、部会資料80-3)。

条文の位置付け