民法第977条
伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所に在る者は、警察官一人及び証人一人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。

条文の趣旨と解説

交通を断たれた場所にある場合は、通常の場所における方式を要求することはできないことから、遺言の方式を緩和しています。
法文上は「伝染病のため」「行政処分によって」と規定されていますが、学説では、伝染病に限らず、一般社会との交通が事実上又は法律上自由にできない場所にある者を含むと解されているようです(宮井忠夫・國府剛『新版注釈民法(28)』)。

条文の位置付け