民法第529条の3
懸賞広告者は、その指定した行為を完了する者がない間は、その指定した行為をする期間を定めないでした広告を撤回することができる。ただし、その広告中に撤回をしない旨を表示したときは、この限りでない。
平成29年改正前民法第530条
  1. 前条の場合において、懸賞広告者は、その指定した行為を完了する者がない間は、前と同一の方法によってその広告を撤回することができる。ただし、その広告中に撤回をしない旨を表示したときは、この限りでない。
  2. 前項本文に規定する方法によって撤回をすることができない場合には、他の方法によって撤回をすることができる。この場合においては、その撤回は、これを知った者に対してのみ、その効力を有する。
  3. 懸賞広告者がその指定した行為をする期間を定めたときは、その撤回をする権利を放棄したものと推定する。

条文の趣旨と解説

平成29年民法(債権関係)改正の審議において、指定行為を完了すべき期間を定めていない懸賞広告の撤回について、承諾期間の定めのない申込み(民法525条)と同様の規律を設けることも検討されましたが、指定行為に着手しただけで報酬に対する正当な期待が生じているとはいえないことなどの理由から、改正前民法530条1項の規律が維持されることとされました。

条文の位置付け