民法第539条の2
契約の当事者の一方が第三者との間で契約上の地位を譲渡する旨の合意をした場合において、その契約の相手方がその譲渡を承諾したときは、契約上の地位は、その第三者に移転する。

条文の趣旨と解説

平成29年民法(債権関係)改正によって新設された規定です。
改正前は明文の規定がなかったものの、契約当事者の一方(譲渡人)と第三者(譲受人)との間の合意によって、契約上の地位を移転させることができることは、実務上も広く用いられていました。そこで、改正法では、要件及び効果を定めた明文の規定を置くこととされました。

相手方の承諾

契約上の地位の移転には、原則として契約の相手方の承諾を要します(本条)。
もっとも、不動産賃貸借契約における賃貸人たる地位の移転については、賃借人が不利益を被ることはないと考えられることから、賃借人の承諾が不要とされています(605条の2605条の3)。

条文の位置付け