- 民法第537条
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- 契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する。
- 前項の契約は、その成立の時に第三者が現に存しない場合又は第三者が特定していない場合であっても、そのためにその効力を妨げられない。
- 第一項の場合において、第三者の権利は、その第三者が債務者に対して同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。
- 平成29年改正前民法第537条
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- 契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する。
- 前項の場合において、第三者の権利は、その第三者が債務者に対して同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。
条文の趣旨と解説
第三者のためにする契約は、契約当事者が、自己の名において締結した契約によって、直接に第三者がその給付を請求する権利を取得する契約をいいます(本条1項)。第三者の権利は、第三者が債務者に対して、契約の利益を享受する意思表示をした時に発生します(本条3項)。
平成29年民法(債権関係)改正において、胎児や設立中の法人のように現に存しない者を第三者とする契約も有効に成立するという判例法理が明文化されました(本条2項)。
条文の位置付け
- 民法
- 債権
- 契約
- 総則
- 民法第521条 – 契約の締結及び内容の自由
- 民法第522条 – 契約の成立と方式
- 民法第523条 – 承諾の期間の定めのある申込み
- 民法第524条 – 遅延した承諾の効力
- 民法第525条 – 承諾の期間の定めのない申込み
- 民法第526条 – 申込者の死亡等
- 民法第527条 – 承諾の通知を必要としない場合における契約の成立時期
- 民法第528条 – 申込みに変更を加えた承諾
- 民法第529条 – 懸賞広告
- 民法第529条の2 – 指定した行為をする期間の定めのある懸賞広告
- 民法第529条の3 – 指定した行為をする期間の定めのない懸賞広告
- 民法第530条 – 懸賞広告の撤回の方法
- 民法第531条 – 懸賞広告の報酬を受ける権利
- 民法第532条 – 優等懸賞広告
- 民法第533条 – 同時履行の抗弁
- 民法第536条 – 債務者の危険負担等
- 民法第537条 – 第三者のためにする契約
- 民法第538条 – 第三者の権利の確定
- 民法第539条 – 債務者の抗弁
- 民法第539条の2 – 契約上の地位の移転
- 民法第540条 – 解除権の行使
- 民法第541条 – 催告による解除
- 民法第542条 – 催告によらない解除
- 民法第543条 – 債権者の責に帰すべき事由による場合
- 民法第544条 – 解除権の不可分性
- 民法第545条 – 解除の効果
- 民法第546条 – 契約の解除と同時履行
- 民法第547条 – 催告による解除権の消滅
- 民法第548条 – 解除権者の故意による目的物の損傷等による解除権の消滅
- 民法第548条の2 – 定型約款の合意
- 民法第548条の3 – 定型約款の内容の開示
- 民法第548条の4 – 定型約款の変更
- 総則
- 契約
- 債権