- 民法第686条
- 第670条第3項から第5項まで並びに第670条の2第2項及び第3項の規定は、清算人について準用する。
- 平成29年改正前民法第686条
- 第670条の規定は、清算人が数人ある場合について準用する。
条文の趣旨と解説
平成29年民法(債権関係)改正において、清算人は清算事務の範囲内で全ての組合員を代理する権限を有するという判例法理が明文化されるとともに、清算人の業務執行について、意思決定や執行の方法が規定されました。
本条によって、準用される規定は、以下のとおりです。
- 670条
- 3項
- 前項の委任を受けた者(以下「業務執行者」という。)は、組合の業務を決定し、これを執行する。この場合において、業務執行者が数人あるときは、組合の業務は、業務執行者の過半数をもって決定し、各業務執行者がこれを執行する。
- 4項
- 前項の規定にかかわらず、組合の業務については、総組合員の同意によって決定し、又は総組合員が執行することを妨げない。
- 5項
- 組合の常務は、前各項の規定にかかわらず、各組合員又は各業務執行者が単独で行うことができる。ただし、その完了前に他の組合員又は業務執行者が異議を述べたときは、この限りでない。
- 670条の2
- 2項
- 前項の規定にかかわらず、業務執行者があるときは、業務執行者のみが組合員を代理する。この場合において、業務執行者が数人あるときは、各業務執行者は、業務執行者の過半数の同意を得たときに限り、組合員を代理することができる
- 3項
- 前二項の規定にかかわらず、各組合員又は各業務執行者は、組合の常務を行うときは、単独で組合員を代理することができる。
条文の位置付け
- 民法
- 債権
- 契約
- 組合
- 民法第667条 – 組合契約
- 民法第667条の2 – 他の組合員の債務不履行
- 民法第667条の3 – 組合員の一人についての意思表示の無効等
- 民法第668条 – 組合財産の共有
- 民法第669条 – 金銭出資の不履行の責任
- 民法第670条 – 業務の決定及び執行の方法
- 民法第670条の2 – 組合の代理
- 民法第671条 – 委任の規定の準用
- 民法第672条 – 業務執行組合員の辞任及び解任
- 民法第673条 – 組合員の業務及び財産状況に関する検査
- 民法第674条 – 組合員の損益分配の割合
- 民法第675条 – 組合の債権者の権利の行使
- 民法第676条 – 組合員の持分の処分及び組合財産の分割
- 民法第677条 – 組合財産に対する組合員の債権者の権利の行使の禁止
- 民法第677条の2 – 組合員の加入
- 民法第678条 – 組合員の脱退
- 民法第679条 – 組合員の脱退
- 民法第680条 – 組合員の除名
- 民法第680条の2 – 脱退した組合員の責任等
- 民法第681条 – 脱退した組合員の持分の払戻し
- 民法第682条 – 組合の解散事由
- 民法第683条 – 組合の解散の請求
- 民法第684条 – 組合契約の解除の効力
- 民法第685条 – 組合の清算及び清算人の選任
- 民法第686条 – 清算人の業務の決定及び執行の方法
- 民法第687条 – 組合員である清算人の辞任及び解任
- 民法第688条 – 清算人の職務及び権限並びに残余財産の分割方法
- 組合
- 契約
- 債権