民法第560条
売主は、買主に対し、登記、登録その他の売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負う。

条文の趣旨と解説

平成29年民法(債権関係)改正によって新設された規定です。
改正前民法下における解釈において、売買契約の売主は、売買の目的である財産権を移転するだけでなく、買主が完全に財産権を享受するために必要な一切の行為を行う義務を負い、この義務のひとつとして、対抗要件を備えさせる義務があるものと考えられてきました。判例も、不動産の売買の場合、契約に伴い当然に登記義務が発生すると判示していました(大審院大正9年11月22日判決)。
このような解釈を前提として、改正法は、売主の対抗要件具備義務を明文化しています。

条文の位置付け