民法第581条
  1. 売買契約と同時に買戻しの特約を登記したときは、買戻しは、第三者に対抗することができる。
  2. 前項の登記がされた後に第605条の2第1項に規定する対抗要件を備えた賃借人の権利は、その残存期間中1年を超えない期間に限り、売主に対抗することができる。ただし、売主を害する目的で賃貸借をしたときは、この限りでない。
平成29年改正前民法第581条
  1. 売買契約と同時に買戻しの特約を登記したときは、買戻しは、第三者に対しても、その効力を生ずる。
  2. 登記をした賃借人の権利は、その残存期間中1年を超えない期間に限り、売主に対抗することができる。ただし、売主を害する目的で賃貸借をしたときは、この限りでない。

条文の趣旨と解説

買戻しの特約は登記することができ、売買契約と同時に買戻しの登記をしたときには、第三者に対しても対抗することができます(本条1項)。したがって、転得者に対しても、買戻しを行うことができます。

買戻権が行使されると、解除の効果により、所有権が遡及的に売主に復帰することから、不動産上に設定された用益権や担保物権は原則として消滅します。しかし、このような結果は、目的物の利用を妨げ、社会経済的にも不利益と考えられることから、605条の2第1項に定める対抗要件を具備した賃借権については、残存期間中1年を超えない限り、売主に対抗できるものと規定されています(本条2項)。

条文の位置付け