民法第576条
売買の目的について権利を主張する者があることその他の事由により、買主がその買い受けた権利の全部若しくは一部を取得することができず、又は失うおそれがあるときは、買主は、その危険の程度に応じて、代金の全部又は一部の支払を拒むことができる。ただし、売主が相当の担保を供したときは、この限りでない。
平成29年改正前民法第576条
売買の目的について権利を主張する者があるために買主がその買い受けた権利の全部又は一部を失うおそれがあるときは、買主は、その危険の程度に応じて、代金の全部又は一部の支払を拒むことができる。ただし、売主が相当の担保を供したときは、この限りでない。

条文の趣旨と解説

売買の目的物について第三者が所有権や用益物権等を有していた場合には、買主は売主の担保責任(562条以下)を追及することができますが、本条は、第三者の権利の所在が確定しない場合にも、買主は代金の支払を拒み得るとして、買主の損失を未然に防ぐことを趣旨とします。

条文の位置付け