民法第529条
ある行為をした者に一定の報酬を与える旨を広告した者(以下「懸賞広告者」という。)は、その行為をした者がその広告を知っていたかどうかにかかわらず、その者に対してその報酬を与える義務を負う。
平成29年改正前民法第529条
ある行為をした者に一定の報酬を与える旨を広告した者(以下この款において「懸賞広告者」という。)は、その行為をした者に対してその報酬を与える義務を負う。

条文の趣旨と解説

第三者が懸賞広告によって広告で指定された行為を完了したとき、広告で表示された報酬の請求権を取得します。
当該第三者が、懸賞広告の存在をしらずに指定行為を完了した場合に、報酬請求権を取得するかどうかについては、解釈上争いがあり、懸賞広告の法的性質(単独行為説、契約説)に関連して議論されてきました。
しかし、指定行為を完了した者が懸賞広告を知らなかったとしても、客観的には懸賞広告者の期待が実現されており、懸賞広告者に報酬支払義務を負担させるべきであることから、平成29年民法(債権関係)改正において、当該帰結が明文化されました。

条文の位置付け