- 民法第619条
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- 賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定する。この場合において、各当事者は、第617条の規定により解約の申入れをすることができる。
- 従前の賃貸借について当事者が担保を供していたときは、その担保は、期間の満了によって消滅する。ただし、第622条の2第1項に規定する敷金については、この限りでない。
- 平成29年改正前民法第619条
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- 賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定する。この場合において、各当事者は、第617条の規定により解約の申入れをすることができる。
- 従前の賃貸借について当事者が担保を供していたたときは、その担保は、期間の満了によって消滅する。ただし、敷金については、この限りでない。
条文の趣旨と解説
賃貸借は存続期間の満了によって終了しますが(622条において準用する597条1項)、賃貸借の期間満了後に、賃借人が賃借物の使用又は収益を継続し、賃貸人もその事実を知っていながら異議を述べない場合には、賃貸借契約が同一の条件で更新されたものと推定されます(本条1項前段)。本条1項前段によって更新された賃貸借については、617条の規定に基づき、各当事者が解約の申入れをすることができます(本条1項後段)。
もっとも、建物所有を目的とする土地の賃貸借、建物の賃貸借、農地又は採草放牧地の賃貸借については、本条による更新の規律が、特別法により修正されています(借地借家法5条、同法26条、農地法17条)。
なお、更新前の賃貸借について担保が供されていたときには、敷金は更新後の賃貸借についても効力を有しますが、敷金以外の担保は消滅します(本条2項)。
条文の位置付け
- 民法
- 債権
- 契約
- 賃貸借
- 民法第601条 – 賃貸借
- 民法第602条 – 短期賃貸借
- 民法第603条 – 短期賃貸借の更新
- 民法第604条 – 賃貸借の存続期間
- 民法第605条 – 不動産賃貸借の対抗力
- 民法第605条の2 – 不動産の賃貸人たる地位の移転
- 民法第605条の3 – 合意による不動産の賃貸人たる地位の移転
- 民法第605条の4 – 不動産の賃借人による妨害の停止の請求等
- 民法第606条 – 賃貸人による修繕等
- 民法第607条 – 賃借人の意思に反する保存行為
- 民法第607条の2 – 賃借人による修繕
- 民法第608条 – 賃借人による償還請求
- 民法第609条 – 減収による賃料の減額請求
- 民法第610条 – 減収による解除
- 民法第611条 – 賃借物の一部滅失等による賃料の減額等
- 民法第612条 – 賃借権の譲渡及び転貸の制限
- 民法第613条 – 転貸の効果
- 民法第614条 – 賃料の支払時期
- 民法第615条 – 賃借人の通知義務
- 民法第616条 – 賃借人による使用及び収益
- 民法第616条の2 – 賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了
- 民法第617条 – 期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ
- 民法第618条 – 期間の定めのある賃貸借の解約をする権利の留保
- 民法第619条 – 賃貸借の更新の推定等
- 民法第620条 – 賃貸借の解除の効力
- 民法第621条 – 賃借人の原状回復義務
- 民法第622条 – 使用貸借の規定の準用
- 民法第622条の2 – 敷金
- 賃貸借
- 契約
- 債権