民法第475条
弁済をした者が弁済として他人の物を引き渡したときは、その弁済をした者は、更に有効な弁済をしなければ、その物を取り戻すことができない。

条文の趣旨と解説

弁済者が他人の物を引き渡したときは、更に有効な弁済をしなければ、その物を取り戻すことができないものとされています。

本条の趣旨については、我妻栄『新訂債権総論』によれば、本来、弁済者は引き渡した物を支配する権利をもたない、しかし、弁済者が更に有効な弁済をしたときには、法が特にその物の取戻請求権を与えたものである、と説明されています。

条文の位置付け