民法第479条
前条の場合を除き、受領権者以外の者に対してした弁済は、債権者がこれによって利益を受けた限度においてのみ、その効力を有する。
平成29年改正前民法第479条
前条の場合を除き、弁済を受領する権限を有しない者に対してした弁済は、債権者がこれによって利益を受けた限度においてのみ、その効力を有する。

条文の趣旨と解説

478条(受領権者としての外観を有する者に対する弁済)の場合を除き、受領権者以外の者に対してした弁済は無効となるのが原則です。しかし、債権者がこれによって利益を受けた場合には、その限度においてのみ、弁済はその効力を有します(本条)。債権の目的を達したことになると考えられるからです(於保不二雄『債権総論[新版]』)。

条文の位置付け