民法第491条
一個の債務の弁済として数個の給付をすべき場合において、弁済をする者がその債務の全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、前3条の規定を準用する。
平成29年改正前民法第490条
一個の債務の弁済として数個の給付をすべき場合において、弁済をする者がその債務の全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、前2条の規定を準用する。

条文の趣旨と解説

一個の債務の弁済として数個の給付をすべき場合において、弁済をする者がその債務の全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、民法が定める弁済の充当の規定に従います(本条)。
なお、「一個の債務の弁済として数個の給付をすべき場合」とは、例えば、数ヶ月分の賃料を負担するとき(我妻栄『新訂債権総論』)や売買代金債権が月賦払とされていたとき(法制審議会民法(債権関係)部会『部会資料70A』)などが想定されています。

条文の位置付け