民法第453条
債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。

条文の趣旨と解説

保証債務は、原則として主たる債務が履行されない場合に第二次的に履行すべき債務という性質から、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、まず主たる債務者の財産について執行すべき旨の抗弁をすることができます(本条)。

検索の抗弁は、主債務者が執行容易な若干の財産を有することを証明すれば足り、必ずしも債務の全額の弁済を得られることの証明を要しないと解されています(大審院昭和8年6月13日判決)。

検索の抗弁権が行使されたにもかかわらず、債権者が執行をすることを怠ったために主たる債務者から全部の弁済を得られなかったときは、保証人は、債権者が直ちに執行をすれば弁済を得ることができた限度において、その義務を免れます(455条)。

なお、連帯保証の場合(454条)や検索の抗弁権を放棄した場合には、保証人は検索の抗弁権を有しません。

条文の位置付け