民法第458条の2
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なく、主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならない。

条文の趣旨と解説

平成29年民法(債権関係)改正により新設された規定です。
保証人は、主債務の履行状況や残額を当然に知りうる立場にはなく、最も確実な方法は債権者に情報提供を求めることですが、改正前民法においては、債権者の情報提供義務に関する規定は設けられていませんでした。
また、一般的に債権者は金融機関であることが多いところ、法令の根拠なく、保証人に対して主債務者の履行の状況を回答することは、金融機関の守秘義務に反するのではないかという疑問も提起されていました。
そこで、改正民法は、委託を受けた保証人から請求があったときは、債権者は、保証人に対し、主債務の履行の状況等に関する情報を提供しなければならない旨を定めました。

条文の位置付け