民法第461条
  1. 前条の規定により主たる債務者が保証人に対して償還をする場合において、債権者が全部の弁済を受けない間は、主たる債務者は、保証人に担保を供させ、又は保証人に対して自己に免責を得させることを請求することができる。
  2. 前項に規定する場合において、主たる債務者は、供託をし、担保を供し、又は保証人に免責を得させて、その償還の義務を免れることができる。
平成29年改正前民法第461条
  1. 前2条の規定により主たる債務者が保証人に対して償還をする場合において、債権者が全部の弁済を受けない間は、主たる債務者は、保証人に担保を供させ、又は保証人に対して自己に免責を得させることを請求することができる。
  2. 前項に規定する場合において、主たる債務者は、供託をし、担保を供し、又は保証人に免責を得させて、その償還の義務を免れることができる。

条文の趣旨と解説

主たる債務者が保証人から事前の求償権(460条)を行使された場合において、事前求償に応じたとしても、実際に保証人が弁済等の債務の消滅行為を行わなければ、主たる債務者が損害を受けます。
そこで、事前求償権の行使を受けた主たる債務者は、債権者が全部の弁済を受けない間は、保証人に担保を供させ、又は保証人に対して自己に免責を得させることを請求することができるとされています(本条1項)。
また、保証人に支払うべき金額を供託し、担保を供し、又は保証人に免責を得させて、その求償に応じる義務を免れることができるとされています(本条2項)。

条文の位置付け